重要文化財になるまで

 

長年住職が不在の為、本堂は傾き壁は割れ境内は雑草生い茂り
人の出入りもない状態でありました。

 


      (本堂を覆い尽くす雑草)

 


      (当時の境内の写真)

 

 

 

平成21年に今の住職が着任し、荒れ果てた境内を清掃し、お堂も掃き清めはしましたが
本尊様は痛々しく鎮座しておられました。

 

住職はこの本尊様を拝み
「何とかここを綺麗にしてあげたい」と願っておりました。

 

 

 


  (ひび割れた壁)

 


(本堂は傾き、壁が落ち、つっかえ棒で支えらえていた)

 


(傾いたお堂の中で弥勒様は座っておられた)

 

 

 

 

同年6月、あるご縁で奈良県文化財課の方が見え

 

「何と大きく堂々とした立派な仏様!」

 

と本尊様を絶賛されました。

 

 

 

「あの時の驚きと感動は今でも鮮明に覚えております。言葉を失い、思わず息を飲みました。」

 

文化財課の方は当時を振り返り、こう語っておられます。

 

そして同時にお堂が斜めになり、老朽化していることにも、大変驚かれたということです。

 

「このままでは床が抜けてしまう!何とかしてこの仏様を守りたい!」

 

その思いと住職の願いが重なった瞬間でした。

 

 

 

その後学識の先生方が見に来られ、今から約千年前の作と見られ、楠の一木造りであると判明し、彫刻史上まれにない仏像で高い価値を有するものと評価されました。

 

 

まもなく平成22年3月に奈良県の文化財指定となり埋もれていた仏様がついにベールを脱ぎました。

 

 

各分野から補助を頂き、平成24年2月14日に本堂の修理も着工されることになりました。

 

本堂修繕に向けて平成23年9月20日に弥勒坐像は奈良国立博物館に委託することになり数年は本尊様不在となりました。

 

 

 

 


(本尊様引っ越しの様子)

 

 

 

弥勒様は、修理が終わるまで奈良国立博物館にてスポットライトを浴びて展示公開され、初めて多くの人々の脚光をあびることになったのです。

 


(博物館展示の本尊様)

 


(スポットライトを浴びた本尊様とのご対面)

 

 

その後 東京文化庁の方の目にとまり重要文化財の審議会議のため平成24年1月31日から6月1日まで東京博物館へ移されることになりました。

 

その間 4月28日〜5月13日頃まで東京博物館で展示され、更にたくさんの人々の目に触れることになったのです。

 

そして同年9月 国の重要文化財の指定を受けました。

 

 

本尊様不在の本堂も綺麗な姿に復活し

 

平成25年7月8日から奈良博物館内の日本美術院国宝修理所で本尊様も修理に入りました。

 

 


(本堂修理の様子)

 


(弥勒様修繕の様子)

 


(本尊様のお帰りを待つ修復された堂内)

 

 

 

復活し、お帰りになられた弥勒様

 

荒れ寺に埋もれていた弥勒様は
あちこちに旅に出られ、脚光を浴びて出世をし、お帰りになりました。

 

たくさんの人々のお力添えがありました。
たくさんの幸運がありました。
たくさんの強い想いがありました。

 

弥勒様は
そのお姿を見て心を動かされた人々によって
前代未聞のスピード出世をされたのです。

 

 

 

 

平成27年2月24日に弥勒様は修理を無事終え3年ぶりにお帰りになりました。

 

本堂は立派になりきっと座り心地がいいと喜んでおられることでしょう。

 

5月17日には開眼落慶法要が厳修され、また午後からは地元「弥勒如来坐像世話人会」の方々(代表 當間 稔氏)のお世話で記念イベントが催され、大勢の方々にお祝いして頂きました。

 

賑やかで 温かい法要でした。

 

 


(せんと君とみくちゃんも駆けつけてくれました)

 

 


(地域の方のイベントの様子)

 

 

 

 

今では境内に鐘がなり響き 花が咲き 人々がお参りになり 仏様もニコニコと笑顔で迎えてくれています。

 

今の弥勒寺があるのは 地元地域の皆様をはじめ、奈良県、大和高田市の関係の方々、その他大勢の方々のご尽力のおかげです。

 

誰の力が欠けてもこの異例の復活はなかったでしょう。

 

改めて人と人とのご縁に感謝するとともに

 

そのご縁を繋いでくださった弥勒様に感謝したいと思います。

 

 

 

千年の間 どれほどの方々が弥勒様に手を合わせてきたのでしょう。

 

そしてこれからどれだけの方々を見守ってくださるのでしょう。

 

 

 

皆様も「一期一会」の勝縁を得て 多くの福智を授かりますよう 
是非ご参拝をお待ちしております。 

 

そして、弥勒様のパワーを感じて頂けたら幸いです。